"イクラ"を使ったロシア料理
*はじめに
日本人のとって馴染み深い「イクラ」。
その言葉の語源はロシア語にあることをご存じだろうか?
ロシア語で使われている「イクラ」とは「魚卵」という意味であり、
魚の卵であれば全てが「イクラ」と呼ばれる(キャビア、イクラ、数の子etc)。
翻って日本では魚の卵の種類ごとに名前が存在する。
これは単にそれぞれの国においての食生活や
それを食べる頻度に由来しているのではないだろうか。
例えば、ロシアでは「イクラ」は高級品で、普段の日常生活で食べる機会が無い。
強いて挙げればロシアの春を祝う祝日"マスリ二ッツァ"だろうか。
この祝日にはイクラを使ったロシア風クレープ"ブリ二ィ"や
そのままクラッカーにクリームチーズとイクラを乗せて食べたりする。
筆者が日本に住んでいた時には新潟出身の父がよくスーパーで筋子や明太子を
買ってきてくれてそれをおかずによく「イクラ」を食べさせて貰ったものだが、
ロシアではそういった機会がかなり限定されてくるみたい。
今回のブログでは日本ではあまり馴染みが無いであろう「イクラ」を使った
ロシア料理を少し紹介していきたいと思う。
*料理紹介
(1)ブリ二ィ
まず紹介すべきはロシアの代表的な料理の一つである"ブリ二ィ"である。
端的に言ってしまえばロシア風クレープ、もしくはパンケーキで、
作り方は至ってシンプルだが量が多くなりがちなので激太り注意。
≪材料≫
- 小麦粉 400g
- 塩 少々
- 卵 4つ
- 牛乳 1リットル
- 砂糖 大さじ2杯
- 植物油 小さじ2杯
≪作り方≫
1.卵をボウルに入れ、砂糖と一緒にかき混ぜる
2.小麦粉と塩を入れ、牛乳加えながらダマにならないいようにかき混ぜる
3.その後約20分間2を置いておく
4.植物油を加えてからフライパンを使って強火で焼く(生地は厚めが良い)
以上の工程で料理が完成したら、お好みの具材を挟んで食べる。
最も人気があるのがチーズとハム、もしくはサワークリームだが、
イクラやニシンの酢漬けといった具材で食べることもある。
他にイクラを使ったロシアサラダや揚げたジャガイモにイクラが乗ることもある。
以上見てきたように、ロシア人にとってのイクラはあくまでも料理に
彩りを加えるためのものであって、主食と一緒に食べたりはしない。
ブリ二ィは例外的にイクラと一緒に食べるが、味のベースはサワークリームで
そこにマヨネーズやバターなどが代用されていることもある。
*まとめ
ロシアに住んでいて思うのは魚介類が高く、彼らは肉類を多食しない。
日本に住んでいて肉や魚が無い食卓が今の時代考えられないが、
ロシアの場合はそばの実や穀物類のおかゆやフレークだけで済ますことも多く、
なぜロシア人の特に若い人たちに痩せている人が多いのかがわかる。
日本に旅行したことのあるロシア人たちが口をそろえて言うのは、
「日本は米と肉の量が多すぎる」ということだ。
確かにロシアの飲食店と比べると日本の飲食店の食事は
総じて肉類、ごはん・パン類が多く、野菜は少ない傾向にある。
だから、初めてロシアに旅行しに来る際にはボリュームの少なさに落ち込むかも。
ただ、ロシア料理は大抵美味しくて日本人好みのものが多いので、
食事が合わないと感じることは少ないと思う。
ただし、場所によっては中央アジア料理に近い料理が出てくる場合もあり、
そういった場合はよく質問しる必要がある(主に南のムスリムが多い地域など)。
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次回のブログに続く。